約 1,703,422 件
https://w.atwiki.jp/haruhioyaji/pages/37.html
父親が帰宅し両親が揃ってから話をした方がいいだろうと、俺とハルヒはファミレスで時間をつぶし、それから俺の家へと向かった。 予想していたことではあったが、うちの家の反応は、鷹揚にして寛容な涼宮家のそれにほど遠く、当惑と難詰とからなる、よくもわるくも、ごく常識的のものだった。 「仲がいいのは結構な話だが、正面切って『同棲』したいんだと言われても、反対だとしか言えないな」 俺の父親がついたため息を引きとって、今度は母親が口を開く。 「ふたりはまだ高校生なんだし、その歳にふさわしいお付きあいの仕方があるとおもうわ。それにハルヒちゃんのご両親だって心配なさると思うし」 ハルヒは顔を上げて、いつもの二割増で目に力をこめて言う。 「あの、うちの両親には話しました、ふたりで」 「そう、どうおっしゃっていらしたの?」 「するなら自分たちの甲斐性と責任で、と言われました」 「そのとおりだな。この話は、今の二人の甲斐性と責任を越えたものだと思う。古い考えかもしれないが、まだ結婚もしてない男女が一緒に暮らすことが、いいことだとはどうしても思えない」 「10代で結婚するのは昔は普通だったし、今もそういう人たちはいるけれど、仕事もなかなかないし、あってもそんなにたくさん貰えるわけじゃないから生活は大変みたいだわ。生活費や家事・子育てについて、親の支援を受けながらというケースもあるけど、それも望んでするものじゃないと思うの」 「まして二人はこれから大学受験が、その先には就職だってある。このことを二人がないがしろにしてないのは、毎晩勉強してることや、息子の成績の変化だけを見てもわかるよ。だから、それだけに、今日聞いた話には正直驚いたし、少し残念だな」 親たちが言う言葉や口調からは、親なりに俺たちを心配してくれているのがよくわかった。加えて、親たちが言うことは、現実的に見ても常識に照らしても、間違っていなかった。それに親たちが指摘した問題や限界は、俺たちも自覚していて、なおかつ今すぐに解決の見つからないものだった。 事を運ぶにあたってどういう問題があるのかについては、親たちと俺たち二人の見解はほとんど一致していた。違うのは、俺たちは「どうしたいか」を考えていて、親たちは「どうすべきか」「どうあるべきか」を考えていることだった。当然、話は平行線をたどり、早々に暗礁に乗り上げ、そして乗り上げたままだった。 沈黙が、その気まずい場を、靄のように包み満たした。沈黙だって? 俺は心の中の何かのゲージが限界近くまで上がってきているのを感じて、何故かあわてて隣のハルヒを見た。 正直に言おう。日頃ハルヒの暴言にツッコミを入れ、無茶を引きとめるのが習い性になってきたせいか、どこかでこいつをとめるのは俺の役目だとうぬぼれていたらしい。すれ違う互いの想いと主張、進まぬ話し合いへのいらだちにキレかかっていた俺は、ハルヒの方が今にもキレようとしているんじゃないかと邪推したのだ。 涼宮ハルヒが黙っていた。 何よりも、そして誰よりも負けるのが嫌いで、口と手が互いに我先にと争って出撃するあのハルヒが、唇を噛みしめ、膝の上でぎゅっと両手を握っている。だがハルヒは、いつにもましてハルヒだった。たじろかず、顔はうつむかず、星団をいくつも詰めこんだような目を大きく開けて、じっと前を、俺の親ふたりを見つめている。 俺は、ハルヒの膝の上で握られたその手に、自分の手を重ねた。 はげますつもりか、はげまして欲しいのか、どちらともつかない気持ちだったが、今はどうだっていい。俺はこいつの手の温かみを感じて、それに力を得て顔を上げた。 「父さん、母さん」 沈黙が破られ、時間が動き出す。 「ハルヒのこと、好きか?嫌いか?」 「そりゃハルヒちゃんのことは好きですよ、ねえ」 「ああ、しっかりした娘さんで、おまえにはもったいないくらいの……」 「俺はこいつが好きだ」 すうと息を吸い込む。そして 「早すぎるというなら待つ。頼りないというならしっかりするよう努力する。甘いというならそのとおりだろうし、夢みたいなっていうなら本当に夢みたいなことを言ってるんだろうと思う。今すぐは無理だというのも分かってる。そんな生活を支える力が俺たちにまだないってことも。でも、これは俺たちの夢なんだ。どれだけかかっても、二人で実現したいと思ってる。……あの、聞いてくれてありがとう。ハルヒを送ってくるよ」 俺は立ちあがり、手を引いてハルヒを立たせようとした。しかしハルヒはこちらを見ず、逆にその手を下に引っ張り、もう一度俺を席に付かせようとした。まだ終わってないわ、と言うように。 「待ちなさい」 母が息をつき、やわらかい声で言った。 「ハルヒちゃん、夕飯食べていきなさい。ね、あなた」 「ああ。そうしなさい。……準備に少し時間がいるだろうから、一度部屋の方へ行ってなさい」 夕食が済み、俺はハルヒを送っていくために玄関を出た。 一度しまったドアが開いた。飛び出して来たのは妹だった。妹は一直線にハルヒの方に駆け寄り、振り向いたハルヒの胸に飛び込んでいった。 「ハルにゃーん、ごめんね、ごめんね」 「よしよし。あー、謝んないで。あたしの方こそ、ごめん。お父さんとお母さんに言いたくないこと、一杯言わせちゃった。妹ちゃんにも悲しい思いさせたね。ごめん」 「ううん。ハルにゃんもキョン君も悪くないよ。あたし、今日の話、すごくうれしかったよ」 「そっか……ありがとね、妹ちゃん。あたしも、それ聞いてすごくうれしい。元気、もらっちゃったね」 「ハルにゃん、お父さんとお母さんのこと、嫌いにならないでね」 「ううん、ならないよ。あんなにちゃんと、あたしたちのこと叱ってくれたんだもの」 「あとあたしのことも。それにキョンくんのことも」 ハルヒが吹き出し、俺がそれに続いて笑った。 「ならないよ、嫌いになんて絶対ならない」 「約束だよ」 「うん、約束しよ」 妹とハルヒは玄関の前で短い指きりをした。二人のつながった手が、「ゆびきりげんまん」の歌に合わせて上下に動いた。 歌が終わって、その指が離れる。妹はその指を少し見つめて顔を上げた。妹に会わせて少しかがんでいたハルヒは、膝を伸ばして、もう一度妹の顔を見た。 「じゃあね、ハルにゃん。おやすみなさい」 「うん、またね、妹ちゃん。おやすみ」 次の日、ハルヒは学校に来なかった。 メールを打つと、「風邪引いた」とだけ返事が来た。 昼休み、古泉に呼び出されて部室に向かう途中、鶴屋さんに会った。 「聞いたよー、キョン君。ハルにゃんのおやっさんに挑戦状叩き付けたってえ? 『この度、麗しき姫君を私のコレクションに加えたく候。明日、丑三つ時に戴きに参上したく申し候』って感じかな?」 「それじゃ『予告状』ですよ。あと、どっちかっていうと、ハルヒの親父さんから叩き付けられたんです」 「じゃ、受けて立ったんだ、そいつぁ男の子だあ。お姉さんは鼻が高いよっ!」 「問題はハルヒの家より、うちなんですが」 「そういや、ハルにゃんを見かけないねえ。休みかな?」 「風邪らしいですよ。なんとかの霍乱かな」 「ふんふん。まあ、焦らず急がず進むがいいや。何かあったら相談ぐらいは乗るにょろよ」 「ありがとうございます。でも、鶴屋さん、どこでその話を?」 「シークレットっさ。依頼人の秘密を守るのは探偵の基本きょろ。そいじゃねー」 昼休みの部室には、いつものように置物と化して本を読んでいる宇宙人と、随分と先に来たらしくボードゲームを並べて一人で駒を動かしている超能力者がいた。 「お呼び立てしてすみません」 「何か非常事態か?」 「今のところ閉鎖空間の類いは出現していませんね。お心当たりでも?」 「あっても宇宙的未来的超能力的な話じゃない」 「なるほど。さしずめファミリー・アフェア(家族の問題)といったところでしょうか?」 「お前、ほんとはテレパシー方面の超能力者じゃないのか?」 「機関ではそういった研究や訓練を行っている部門も確かにありますが」 「まあいい。用件を聞こう」 「放課後、涼宮さんのお見舞いに行かれますか?」 「ああ、そのつもりだったが。おまえのところにもメールが来たのか?」 「正確には僕のところにだけメールが来ました。『今日は風邪で休んでるからSOS団も休みにするわ。有希とみくるちゃんとキョンにも伝えて』。おかしいとは思いませんか?」 「どこがだ?」 「『キョンにも伝えて』というところですよ。メッセージの宛先にあなたも入っている。しかし、僕がメッセージをお伝えする前に、当然と言うべきでしょうが、あなたは涼宮さんの欠席を知っておられた」 「同じクラスだ、嫌でもわかるだろ?」 「僕が『お見舞い』といっても素直に応じられましたね」 「ああ。休んでやがるんでハルヒの奴にメールしたら、風邪だからと返事が来た」 「失礼ですがメールをやり取りされたのはいつです?」 「1時限目が始まる前だが」 「ぼくが涼宮さんからのメールを受け取ったのは、あなたにメールした直前、つまり4時限目終了直後です」 「どこがおかしい?」 「やはり『キョンにも伝えて』というところですね。1時限目の時点で、あなたは涼宮さんの欠席及び欠席の理由まで知っておられた。他の団員へはともかく、あなたにはもはや伝えるべき情報がほとんどない」 「どうせ一度言ったくらいじゃ忘れるかもしれないと思ったのさ」 「意図的に無視されることがあっても、あなたが涼宮さんとのやり取りを忘れるなんてあり得ません」 「あのなあ。それに部活が休みだって情報は、お前からはじめて知らされたぞ」 「そうです、それだけが新たに加わった情報というわけですが……」 「何か言いたいことがあるなら、結論を言ってくれ。昼休みが終わりそうだ」 「いうまでもありませんが、SOS団は名実ともに涼宮さんの団です。彼女抜きで活動することはあり得ないし、これまでもありませんでした。涼宮さんを巡る事件について、ぼくら4人が集まり何らかの対策を講じることはありましたが、それは涼宮さんの知るところではありませんし、また知られてはならない事項であり、当然ながらSOS団の活動でもありません」 「結論を、と言ったはずだぞ」 「失礼。解説役が習い性になっているようです。ですが、結論ならあなたから、最初にお聞きしているので、僕が何か付け加えるのも蛇足だというものかと」 「見舞いのことか?」 「確かに涼宮さんは一回では足りないかもしれないと思い、ダメを押されたとも言えますが、メッセージの含みは、むしろあなた以外のメンバーに向けられていると考えるのが正しいでしょう。部活が休みなら、我々は三々五々帰途につくことになる。場合によっては『みんなでお見舞いを』という無粋な提案がなされるかもしれません。ですが、僕があなたに涼宮さんのメッセージを伝え、それに対してあなたが我々に自分はそのことを《すでに知っている》と伝えれば、他3人は間違いなく『気をきかせる』でしょう。これで涼宮さんの願望は成就する。つまり『キョンにも伝えて』という部分は、あなたに情報を伝えることではなく、むしろ僕とあなたに情報の交換をさせることを意図したものと考えられます」 「俺に言わせれば、単なる考え過ぎだ」 「では、そういうことで結構です。結論は同じですから」 長門がバタンと本を閉じた。話は終わった。俺たちはそれぞれの教室に戻るべく、部室のドアを開け外に出た。 「……いや、同じじゃないかもしれんな」 「どうしました?」 「多分、考え過ぎだ。だが礼は先払いしとく。見当違いだと分かったら、後で取り消させてもらうぞ」 俺は「ありがとな」と言い捨て、廊下を走った。後ろで優雅に肩をすくめる超能力者と、液体ヘリウムみたいな目を向ける宇宙人が、俺を見送っていた。 俺は教室に舞い戻って自分の鞄をひっつかみ、谷口と国木田に「腹が痛いんで早退する」と言い捨てて、また走り出した。 ハルヒが風邪で寝込んでいるなんて考えられない。昨晩、メンタル面はどうあれ、あいつの体はピンピンしてた。触れても熱はなかった。 状況証拠なら、まだある。2回のメールがそれだ。ただ伝えるだけなら、古泉の言うように、メールはどちらか一通で十分だった。俺から古泉たちにハルヒの休みを知らせれば、それだけで部活は自動的に休みになっただろう。古泉宛にメールするのでも同じことだ。 重複しているのは、メールそのものだけじゃない。「風邪で」という部分もそうだ。1通目の俺への返事は、休みの理由は俺が予想するようなものではなく、ただの「風邪」なんだという「言い訳」の含みがあった。そして2通目の古泉へのメールへも同じ「風邪」という理由が添えられていた。俺にならともかく、夕べの一件を知らないはずの古泉には「言い訳」の必要はない。つまり、それは夕べの一件を知る者に対する駄目押しだ。 くそったれ。普段は、何をしでかすか一向に分からないが何がやりたいかは響いてくるように分かりやすいくせに、こういう時に限って、かすかでわかりにくいメッセージを発しやがる。気付くな、でも気付け、とでも言ってるみたいだぞ、ハルヒ。 だが、朝のメールのやり取りだけなら、俺はハルヒを訪ねることを躊躇したかもしれない。何より今の俺にはハルヒにかけてやるべき言葉が思いつかなかった。 夕べのハルヒの言動、態度に落ち度はない。ないどころか、あれ以上なんて俺には到底考えつかない。あの後の夕食でも、ハルヒはいつものように笑いながら、おいしそうに食べていた。ハルヒの振る舞いはベストに限りなく近いものだっただろう。それでも成果はないに等しかった。 「あたし、どうしたらいいと思う?」 とハルヒに尋ねられたら、俺はきっと何も答えられないだろう。 それでも俺はペダルを踏み込み自転車を走らせ、ハルヒの家の近くまで来ていた。この大通りの信号を渡って少し行って角を二つばかり曲がれば涼宮家の前の道に出る。 ところが信号待ちしている時、思わぬ人物がまだ信号が変わらぬ大通りを、散歩するみたいに勝手気ままに、車の間を渡ってやって来た。この人は、天下の公道でもマイペースなのか。 「よう、少年」 「ハルヒの親父さん? なんでこんなところに?」 「知っているとは思うが、俺の家はこの近くだ」 ということではなく、何でこんな真っ昼間に、家の近くにいるのかが知りたかったのだが。 「知ってる顔が妙にしけた面してるのが見えたんでな、赤信号を渡って参上した」 「・・・すいません」 「いつもの面倒くさそうに余裕こいた面はどうした? 早速、壁に当たっちまったか?」 「余裕なんか……」 「当たり前だ。おまえさんたちに余裕こかれたら大人の立場がない。大人なんてな、ヤクザとおなじで、ケチな面子だけでなりたってるんだ」 「……」 「秘密厳守で話を聞いてやる。だから缶コーヒーをおごれ。ギブ・アンド・テイクだ」 「自分の至らなさに思い至ったなら、それで結構だ。『もっとこうできたら』とか『ほんとはこうすべきなのに』とか『〜できない』とか『なんて落ちこんでる場合じゃないのに』とか思って、その手のネガティブな感情や考えにとらわれて落ちこんだら、自分にこう言え。『それで結構だ』」 ハルヒの親父さんは、軽く握ったこぶしで、自分のおでこをこんこんと軽く叩いた。 「人間の頭なんて皮肉なもんでな、思考抑制といって『ピンクの象のことを決して考えるな』と言われると、ますますピンクの象のことなんか考えちまう。だから「こんなダメなこと考えてはダメだ」とネガティブな考えを振り解こうとすればするほど、はまっちまうんだ。震えを止めようとしても、余計震えてしまうだろ。そんなときはわざと自分から震るえてみると意外と簡単におさまるもんだ」 「あの・・・ありがとうございます」 「単なるMind Hackな豆知識だ、googleればいくらでも出てくる。礼には及ばん」 親父さんは軽く手を上げて、やってきたタクシーを止めた。 「……じゃあな。遊んでるように見えるだろうが、これでも仕事中なんだ」 俺は頭を下げた。タクシーが走り去った。 「こんにちは」 「あら、キョン君、いらっしゃい」 ハルヒの母が出迎えてくれた。2階に向かって声をかける。 「ハル、キョン君が来てくれたわよ」 そういってから声を落とす。 「ちょっとご機嫌斜めよ」 「大丈夫です。そこでおやじさん……もとい、お父さんと会いましたよ」 「不思議な人ね。セルフ・フレックス・タイムとか言ってるんだけど」 「キョン! あんた、なんでこんなとこ居るのよ!」 「こんなところって、ここお前のうちだろ?」 「そういう意味じゃない! なんでこんな時間にうちに来てるのよ! まだ授業あるでしょ!」 「だから腹痛だって早引きしてきた」 「何をのんきな。授業をさぼれるような成績じゃないでしょ、あんたは」 「おまえこそ、《か・ぜ》なのに、起きて来ていいのか。せめて上になんか羽織れ」 「うっさい! 羽織れば良いんでしょ、羽織れば」 ハルヒ母にうながされて、俺は階段を上った。部屋からあわてて出て来たハルヒは、 「こ、こら。まだあがってくるな! あんた、誰の許しを得て……」 「はーい。母さんが許可しました」 ニコニコ顔のハルヒ母は、振り向くと階段の下で手まで振っている。 「は、はあ。ちょっと、待ってなさい。すぐだから」 ハルヒはドアを閉めた。内からしばらくガサゴソガサゴソという大きな音が聞こえたが、しばらくしてそれが止み、再びドアは開いた。 「どうぞ。入って」 「何をしてたんだ?」 「何でもないわ。単なる妄想よ」 「お前くらいになると、妄想だけであんな大きな音がするのか?」 「んなわけないでしょ!」 「なんだ、その図面みたいなのは?」 「部屋の模様替えプランよ」 「そうか。……ところどころ、俺の名前、というか『キョン』という文字が見えるんだが?」 「だから妄想って言ってるでしょ! ち、ちょっと笑うなんて失礼よ!」 どうやら俺は笑っていたらしい。自分で気付かなかった。 「す、すまん。いや、さすがハルヒだな、と思ってな」 「あんたにバカにされるほど頭に来ることはないわね」 「バカにしとらん。というか、バカにするなら俺の方だ」 「はあ?」 「来るには来たが、ここ笑うとこだぞ、どうやってハルヒを慰めようかと、実は途方にくれていた」 「はあ、何よ、それ?」 「俺は自分勝手にも、あの涼宮ハルヒが落ち込んでいるだろうと決めつけて、のこのこやって来た訳だ。この際だ、殴っても良いぞ」 「あんたのクサレ頭をどつく拳は持ち合わせてないわ。で、なんで、あたしが落ち込まなきゃいけないわけ?」 「夕べの件だ。俺が謝るのもおかしいが……」 「まったくもっておかしいわよ! 昨日のどこがどうまずかったって訳? あたしはほとんど勝ちどきを上げたい気分よ」 「いや、おまえは全然まずくなかったぞ。だが、うちの親は頑固に常識的だったし、話も進まなかったし」 「なんでもイエスというなら親なんていてもいないのと同じよ。あたしは昨日のは上出来だったって思ってるわ。その後の夕ご飯もおいしかったし、妹ちゃんは泣かせるくらい良い子だし、あんたも、まああんたなりに頑張ったしね。あたしたちの計画はまずは幸先の良いスタートを切ったわ」 と言って、ハルヒは巻き紙のようなものを放ってよこした。 「今後の詳細な計画よ」 「毛筆で手書きかよ。いつの時代の人間だ」 「メールで横書きよりも雰囲気出るでしょ。計画にはね情感に訴えるものが必要なの!」 「それはいいが、こっちの妄想模様替えプランが何か教えてくれ」 「そ、それは……、最終手段よ、自爆装置みたいなものよ」 「もう自爆したみたいな真っ赤な顔になってるぞ。つまり、あれか?」 「そうよ! あらゆる手をつくして駄目だった場合、あんたを拉致してここで暮らす場合、どうすればいいか、っていう見取り図よ。笑うな! 交渉事にはね、最終撤退ラインを決めておくのがセオリーなの! 最終撤退ラインのレベルが高ければ高いだけ、強気で交渉に当たれるのよ! それだけのことなんだからね! だから笑うなって言ってんの!」 ハルキョン家を探す その1 ハルキョン家を探す その2 ハルキョン家を探す その3 →ハルキョン家を探す その4 ハルキョン家を探す その5
https://w.atwiki.jp/podojin/pages/14.html
ポケモン同人誌の書店委託について ポケモンの同人誌は書店に委託する事を推奨しません。 これは過去の事例により作家自身はもとい、ポケモン同人もおろか二次創作同人界をも巻き込み、 コミケットを始めとする同人誌即売会の摘発が起こり 全ての人の同人活動の崩壊を引き起こすのではないかと考えられているからです。 しかし実際は同人誌書店などに委託されている現状です。 これはポケモン同人の過去の事例を知らずに行っているか 『過去の事だからもう大丈夫』・『みんなやってるから大丈夫』などの軽視によるものか、であります。 問題は、『みんなやってるから大丈夫』でどんどんと書店に委託するサークルが増え ポケモン同人界もどんどん大きくなっていく事により、再び版権元が動く事になる可能性にあります。 女性向けなら大丈夫? 過去の事例は男性向け・女性向け両方含まれています。 健全本なら大丈夫? ドラえもん最終話同人誌問題は健全本でしたが、摘発対象となりました。 ある日突然、版権元から著作権侵害の文面が届いた時、あなたは対処出来ますか? 過去の事例から学ぶ事 過去の事例は3件とも書店委託をされていた事も摘発の一つとされています。 イベントでの頒布・自家通販とは違い、同人誌書店は多くの人の目につきやすく それ故頒布される数も大きく変わり、結果版権元が黙っていられなくなります。 ドラえもん最終話同人誌問題ではネット上で話題になり著作権侵害を通告されたとあります。 この事から、同人誌の頒布は同人誌即売会や自家通販までに留めるのを推奨します。 自家通販について 例え自家通販であっても、18禁や成人向けなどの同人誌の通販は行うべきではありません。 これは通販申込者の年齢が確認出来ない事が主な理由です。 18歳未満もしくは未成年が年齢をごまかして18禁本を通販で購入し、それが判明すると 販売側(サークル側)が未成年に不適切なものを販売した事により 刑法第二十二章 第175条の罪に問われます(二年以下の懲役または250万以下の罰金または拘留もしくは科料) 青少年健全育成条例では未成年への有害図書の頒布が禁じられています。 ポケモン同人に限った話ではありませんが、この事により18禁本の通販は推奨しません。
https://w.atwiki.jp/noth/pages/175.html
書籍データ 書籍名 オイレンシュピーゲル 巻数 1〜4 著者 冲方 丁 イラスト 白亜 右月 出版社 角川スニーカー文庫 発売日(1巻) 2007/1 書籍名 テスタメントシュピーゲル 巻数 1 著者 冲方 丁 イラスト 島田 フミカネ 出版社 角川スニーカー文庫 発売日(1巻) 2009/11/28 書籍名 スプライトシュピーゲル 巻数 1〜4 著者 冲方 丁 イラスト はいむら きよたか 出版社 富士見ファンタジア文庫 発売日(1巻) 2007/1 514 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/03(火) 23 53 35 ID ADUPWdfi これを少女向けと主張するのは私くらいな気がするが 冲方丁「シュピーゲルシリーズ」 サイボーグの女の子がテロリストと戦う話。 主人公たちがこんなにも乙女乙女してるとは……あらすじと表紙ではわからなかった。 恋愛要素もあるけどあんまり甘くないのもいい。 ただ独特な文章と過激な設定に好き嫌いは分かれるだろう。 公式サイトに試し読みあるのでよければどうぞ。 515 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/04(水) 20 59 31 ID AQ8V1K1P ものすごく面白いけどこのスレで紹介するのは牽強付会 516 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/04(水) 23 03 25 ID msuEmTfb 冲方は好きで、その作品も好きだけどw ちょっとこのスレで語るには無理がありすぎるw 517 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/05(木) 13 13 40 ID 8jGp7GPX カオスレギオンならまだしも…かな? 518 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/05(木) 14 02 36 ID ileypNCQ カオスレギオンは、年の差好きで主従好きな自分は非常に萌えた でも恋愛要素があるわけではないので、やはりこのスレで語るのには 無理があるような気がするw 519 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/05(木) 14 09 24 ID e2p2nyUz 406からの流れでロマンスはなくてもいいって事にされてたような 個人的にはやっぱりこのスレは恋愛要素メインで紹介して欲しいけど 520 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/05(木) 14 36 34 ID uvi//nmg BLとニアホモと「明らかに男性向け萌え重視」でなければこのスレ向けでよいと思ってる。 でも主に女の子が読んで楽しめるものということで、恋愛方面に重心が置かれている作品が 「その作品は面白いけどこのスレではどうか」と言われにくいと思う。 521 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/06(金) 16 26 58 ID aS9YCHcK レギオンは過去スレで出てた気がする 1には語るとあるがメインは紹介やお勧め依頼とかだからホモ成分がなければ別にいいんじゃない? ラノベの定義があいまいな様に少女小説のくくりも好みも人それぞれなんだし 微妙というならその部分を書いてくれれば、特に問題無い気がする 読みたい人が読むだけなんだし、敷居を高くしてしまうのは勿体無い 522 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/07(土) 18 43 26 ID 9xOrYBfV 生方ならばいアスが好きだな。女性向けっぽいと思う。 523 名前 イラストに騙された名無しさん Mail sage 投稿日 2009/11/09(月) 18 05 50 ID dwV0UUpf 自分もばいばい、アース好きだ。 途中から観念的過ぎるけど、物々しいファンタジーが好きな人におすすめ。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/49626.html
【検索用 きょんしーさうぁいう 登録タグ CeVIO き 可不 曲 糸葉耳】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:糸葉耳 作曲:糸葉耳 編曲:糸葉耳 唄:可不 曲紹介 曲名:『キョンシー・サヴァイヴ』 糸葉耳の3作目。 キョンシーって良いですよね。(動画説明文より) illustration:すし飯 歌詞 (配布テキストファイルより転載) 単純な気持ちに気づけないのは昨日の悪い夢のせい 誤魔化してイライラしても関係ない 未解決事件の噂話 聞かせてほしいよ このまま ”朝になったらバレちゃう” 似ている友だちも 見ていたアイツらにも 悲劇は起こらないのかなぁ...... 重なる点と点はキョンシー・サヴァイヴ 安い言葉に安堵する エンドロール・キョンシー・イン・ザ・スカイ・ハイ 恋みたいな不快感です 大体吸い終わった幽霊 可燃ごみはチューズデイ 落ちない服の汚れ 最寄りのコインランドリー 腐りはじめてんじゃない? 鼻をつくよ 変じゃない? 腐敗臭 腐敗臭 腐敗臭 はいちゅう あぁ...... まだ知らないことばかり起こるよ その度 その度にキョンシーは跳ぶ いま恥ずべきヒトとしての終わりを この鍵 この鍵で閉じ込めて 眩しいきみの笑顔は勘弁 ノー・サンキュー ヤバいお札でコントロール エンドレスだ キョンシー・イン・ア・サイレントウェイ けたたましいクラクションで! 優しい怪物(ヒト)だ きみはキョンシー・サヴァイヴ 歯の浮くセリフもっと頂戴 健康的なキョンシー・イン・ザ・スカイ 嫌な思い出 ドロップキック 天と天はキョンシー・サヴァイヴ 安い言葉をアンダースロー 感動的だ キョンシー・イン・ザ・スカイ・ハイ 恋みたいに腐乱したいです コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5961.html
さて、どうして俺はこんなところにいるのだろう? 土曜日にSOS団不思議探索があって、ただその日はどうしても吉村美代子、通称ミヨキチを預かることになっていたものだからミヨキチと一緒に団活に行かなければならず、連れていったはいいがどうにもハルヒの機嫌が最高潮に悪くなって、しまいには分かれ際に「あんたの顔も見たくない!」とまで言われてしまったのである。 とりあえず月曜になったら多少は機嫌が直ることを祈りつつ、ベッドで横になったはずなのに気がついたらこんなところにいるのだ。 言っておくが、こういう前振りをかますとたいていは誰もがハルヒの作り出した閉鎖空間を想像するだろうが全然違うぞ。 一面、灰色で明かり一つない闇の世界ではない。 まず眼下には鮮やかな新緑の森が広がっているし、上空には澄み切った青空が広がっている。 またその向こうにはその空との境界線がいまいち分かりにくい、しかしどこまでも続いているかのような海さえ見える。 つまり『色彩』がある場所なんだ。 ただ、俺が立っているこの丘に見覚えがないのである。最初は鶴屋さんの家の近くの、妙なパーツが埋まっていた山かとも思っていたのだがそれにしては何かが違う。 俺も宇宙人、未来人、超能力者のたむろする異質空間に慣れてしまったのだろうけど、あの何とも言えない空気が違う雰囲気がここにあるのである。 いったいここはどこなんだ? 頭の周りに?マークを数多く何度も点滅させながら俺は考え込んでいた。 涼宮ハルヒの切望Ⅰ―side K― ん? 先ほどまでは穏やかな日差しに包まれていたはずなのだが、いきなり巨大な影が俺の周囲を覆う。 雲? などと簡単に思い、俺は上空を見上げてみた。 視界いっぱいに広がったのは先ほどまでの青空を完璧に覆いつくしてしまっている―― 「な、なんだぁ!?」 俺は思わず声をあげていた。 言っておくが、そりゃ無理ないってもんだぜ! なんたって俺の目には見たこともない生き物が飛び込んできたんだからな! んで、それが何を目的にしているのかも悟れた瞬間! 俺は全速力で駆けだす羽目になったのである! なんなんだこれは! つか、あれは何だ! というツッコミを入れながらも俺はそいつから逃げるために走る続ける。 思いっきり汗をふき飛ばし、表情に焦燥感を思いっきり浮かべながら。 「ブレイズボム!」 何だ!? いきなり聞こえてきた甲高い声と同時に背後で閃光が走り何かがぶつかった音がしたと思ったら、ちょっとした地震が起こったんじゃないかと錯覚する大地を震わす衝撃音が響く! 気が付けば俺を覆っていた影から抜け出した。 「こんなところにいると危ないわよ。ここは鳥獣区域なんだから、あたしたち人が入っていい場所じゃないわ」 え? 俺はきょときょと周りを見回す。 が、声の主がどこにいるのか分からない。 なぜかって? 仕方ないだろ。視界360度に人影が全く捉えられないんだから。 解るのは、つい今さっきまで嬉々として俺を追いかけてきていたでかい鶏と鷹を足したような化け物鳥が墜落して伸びているってことだけだ。 「で、何たって、あんたはこんなところにいるわけ?」 うお!? という驚きの声を上げるのも無理ないってもんだぜ。 なんせ、いきなり、こいつは俺の目の前に現れたんだからな。 しかもだ。目鼻立ちは間違いなく美女の部類に入れていいし、体の起伏は朝比奈さんに勝るとも劣らないグラマラスさであることは一目瞭然で、それも朝比奈さんと違い身長もあるからモデルとかを連想させることもさることながら、その癖っ毛で腰まで届こうとしているロングヘアが派手な桃色だったことに俺は度肝を抜かれたんだ。 「あ、あなたは……?」 俺は思いっきり意表を突かれた声を漏らすことしかできない。 この女の格好も言っておこう。 山吹色のノースリーブシャツにエメラルドグリーンのホットパンツはまあいい。この体の起伏であれば存分に男の目の保養になれるだろうし、ともすれば陶酔に落ちていきそうな格好なのだが、残念ながら俺にそんな感慨は湧いてこなかった。 仕方ないだろ? その上に何やら宝石を埋め込んだ肩当を付けてるしシルバーグレーのマントを羽織っているんだ。 桃色のヘアカラーとあいまって、魔女っ子コスプレにしてはあまりに突出し過ぎていて逆に引く。 「あたし? あたしはこういう者よ」 言って彼女は懐から、というかマントの内側から一つ、長方形のカードを見せる。 たぶん名刺なのだろう。 そこには―― …… …… …… 「何て読むんだ……?」 「は?」 俺の素直な感想に彼女は思いっきり間の抜けた声を漏らしていた。 さて、この反応で俺は、どう見てもこいつだけには言われたくないような気がヒシヒシしているわけだが、思いっきり不審者扱いされたらしく、険しく厳しい視線を桃色の髪の女に向けられて、むちゃくちゃ大きく厳かな建物の警察っぽいところへと連行されることになる。 しかしだな。 その入り口で思いがけない出会いが俺を待っていた。 確か、あの時、その人は再会する可能性は0に等しいとか言っていたはずなのだがどういう訳なのか再会することになったのである。 ということはだ。 ひょっとしてこの世界は…… などと思考する俺に、どこか懐かしい声が届く。 「確か、キョンくんだったよね? いったいどうやってこの世界に来たの?」 俺が生涯、忘れることができない、いやおそらく俺だけでなくハルヒも忘れることはできない人物だろう。 文化祭での自主制作映画の時の長門のような格好をした、それでいて長門以上にスレンダーボディのシアン色したハルヒと同じく肩までかかるかどうかといったところのセミロングヘアの彼女。 左右で色の違う瞳の蒼葉さんが俺を、びっくり眼で見つめていた。 「不審者扱いしてごめんなさい。あたしったらなんて罰当たり者なのかしら」 桃色の髪の美女が後ろ頭をかきながらどことなく『てへっ』とした笑顔で俺に謝罪している。 場所は蒼葉さんの勤め先と教えられた、この世界一、と言うかぶっちぎりトップで他企業の追随を全く許さない化け物機関・警察&開発機構・なんたらシェリなんとかカンパニーというところで、さっき見たどでかい建物の中の、この桃髪の女の個室である。 しかしまあ腹は立たないな。 というか、蒼葉さんもこの女も俺とハルヒのことを、ある意味、誤解しているんだ。 おっと、説明が遅れたが、なぜ蒼葉さんと俺が顔見知りなのかと言うとだな、端的に紹介させてもらうが、前にハルヒの作りだす閉鎖空間の中で出会ったからなんだ。 その時、蒼葉さんはたった一人で世界を救うために命を振り絞って戦っていた。古泉が組織ぐるみでやっと一匹倒せる青白い巨人をもう数えるのも馬鹿らしいくらい打ち倒していたんだ。そして、本当に最後の命の灯まで振り絞っていたことも覚えている。というかあの雄姿は絶対に忘れられん。 ハルヒの力=新世界の誕生でこの世界が滅亡することを阻止するために、ある意味、神に戦いを挑んでいたんだ。 そしてその姿が神=ハルヒの心を動かし、ついには世界を救うことになった。 もっとも蒼葉さんもこの桃髪の女もそのことを知らない。本当はハルヒがこの世界を滅ぼしかねない事態を招いたというのに、俺とハルヒをこの世界の救世主と認識してしまっているのである。 どうにもこの二人の表情を見ていると逆に俺が悪いことをした気分になってしまう。 「で、キョンくんだっけ? 自己紹介が遅れたわ。あたしの名前はアクリル」 「私の親友よ」 桃髪の女=アクリルさんと蒼葉さんが笑顔を向けてくる。 念のため聞いておこう。 「えっと、アクリルさんは蒼葉さんと同じくらいの年なので?」 まあこう聞いてしまうのも無理ないってもんだぜ。なんたって俺は前回、大失態を犯したんだからな。 朝比奈さん以上に小柄で幼い顔立ちに長門以上に起伏が乏しいスレンダーボディってだけで蒼葉さんを年下扱いしてしまったという目上の人にとんでもない無礼を働いたんだ。だったらこのアクリルさんはどうなのかを確認しておかなくてはな。もっともこれで俺と同い年だったりするようなものなら無理に丁寧語を使う必要はないが―― 「くす。直接、女性に年齢を聞かないのはなかなか礼儀がなってるわね。そうよ。あたしと蒼葉は同い年、ついでに実力も同じようなものかな?」 良かった。どうやら今度は失態を犯さなかったらしい。 って、蒼葉さんと同じような実力!? 「そ。でもまあ、魔法に関して言えば彼女の方がはるかに上ね。魔力そのものは似たようなものだと思うけど、使い方とかになるとアクリルの方が断然勝ってるわ」 「その代わり、あたしはマコウカガク分野だと蒼葉には全く敵わないけど」 アクリルさんが言ったマコウカガクというものが何を指すのか全然分からんが、一つだけ分かったことがある。 あの時、俺が見た蒼葉さんの実力を、このどう見ても危ない人でできるなら絶対に関わらない方がよさそうな人が上回っているということを。 でなければ蒼葉さんが聞きもしないのに俺にそんな紹介をするわけがない。 思わず絶句してしまうぞ。これは。 「でさ、本題に戻るけど、どうしてキョンくんがこの世界に?」 「あ、ああ……それは……」 言おうとして、俺はあることに気がついた。 まったく分からん。 最初はハルヒの力かとも思ったが、ハルヒは「あんたの顔も見たくない」と言っただけで「あんたなんかどこかへ行ってしまえばいい」とは言っていないのである。ハルヒには周囲の環境を都合よく改変できる力があると言ってもそれは『本気でそう思った』ときに発動するものであって、と言うことはだ。顔を見たくないのであれば目を塞いでいれば済む話で、何も異世界にまで追いやることはないはずだ。 それに俺にだってハッキリ認識できるのは、あのハルヒの態度が一過性のものだってことだ。単に頭に血が上っただけでそれ以上でも以下でもない。月曜になって俺が平謝りに徹すれば機嫌を直せる程度のものでしかなく、いくらなんでも俺を元の世界から消してしまおうなどとは思っていないはずだからな。 つまり。 なぜ、俺がこの世界に飛ばされたのかがさっぱり理解不能ってことになる。 「ふうん。なんかよく分からないけどここに来たってことね。でもまあここに来た理由だけ(、、、、、、、、、)なら解るわ」 って、何ですと!? 「あ、誤解しないで。あなたがこの世界に来てしまった理由は分からないけど、理屈なら分かるって意味だから」 ええっと、どう違うんです? アクリルさん。 「理由は因果関係。理屈は魔道技術って意味」 もっと分かりません。 「物証を示した方がいいわね。あなたの持っているものを出して」 「俺の……持っているもの……?」 「前に蒼葉から預かったもののことよ。テレパシー用の魔石。持っているんでしょ?」 ま、まあ……持ってます。なんたって蒼葉さんのことを忘れたくありませんでしたから。 言って俺はブレザーのポケットからもらった漆黒の楕円形を取り出す。 って、何で俺はブレザーなんだ!? 「これがあなたをこっちの世界に運んでしまったもの。だって、この石は魔力が込められていてしかもこの世界で生まれたものだからね」 それを受け取った蒼葉さんは滔々と語り始めた。 なぜ、自分がこっちの世界に戻れたのかも付け加えて。 なんでも蒼葉さんは意識不明の状態のまま、あの世界の消失に巻き込まれてしまったとのこと。 で、世界がなくなればどうなるか。 もし意識があれば『亜空間』とかいう時空の狭間とか言うところで永遠と彷徨うことになるらしいのだが、意識不明だったがために『帰巣本能』が働いて、こっちの世界へと舞い戻ったということらしい。 帰巣本能とは動物が自分のすみかや巣あるいは生まれた場所へ帰ってくる性質、または能力であり、これは無意識であればあるほど強く働く全生物固有の能力でであり、これが蒼葉さんの中で発動したとのこと。 意味不明の単語も混ざっていたが、蒼葉さんとアクリルさんは間違いなく俺以上に異世界関する知識があるんだ。だったら、それを信じるしかないし、否定するなんて利口ぶる真似は馬鹿丸出しでしかない。 「んで、その魔石にも同じことが言えるのよ。それに込められている魔力はこちらの世界で生まれたもの。もともと魔力に『意思』なんてものは存在しないわけだから帰巣本能が働いてこっちの世界に来たってことね」 って、ちょっと待ってください。 てことは何ですか? 俺はこの石を持っていたからこっちに来てしまったってことですか? 「だからさっきも言ったけど理屈はそうなんだけど、理由は不明。そもそも何でその石が帰巣本能を発動させる事態に陥ったのかを教えてほしいのよ。本当にまったく覚えがないの?」 と言われてもな。 「変な空間に放り込まれたとか」 それだったら俺の記憶に残っているはずですし、何度も帰還しました。 「……なかなか普通の人っぽいのに普通の人と違う生活しているみたいね」 はっはっはっはっはっはっは。否定できませんね。異世界にはなかなか縁がありまして、これで五回目でございます。あとついでに過去の世界にも二回ほど行きましたよ。いや正確には四回でしょうか。 「ふうん。その割には正気を保てているわね。相当ずぶとい神経してるのかしら」 アクリルさんの視線がなんともまあ探りを入れている目つきである。 しかしまあ、俺が多少ゆとりがあるのはたぶん、蒼葉さんがいるからだな。 彼女がいればおそらく向こうの世界に返してもらえる手段を知っていると思えるからだ。 なぜかって? そりゃそうだろう。前に蒼葉さんは自分の意志でハルヒの閉鎖空間に入り込んだんだ。それも古泉と違ってちゃんと実体化して、しかもその力も一緒にだ。 つまり、蒼葉さんなら異世界に移動できる術を知っているってことになる。 だから俺はあまり危機感を感じないんだ。 が、この考えは甘かった。 それと俺は『魔法』という力をどうも万能に近い力だと思い込んでいたらしい。 実際はそうではなかったことをこの後、知らされることになる。 俺と蒼葉さんはアクリルさんの部屋を後にして、二人、肩を並べてこの建物の廊下を歩いていた。 もっとも世界が違う訳だから共通の話題なんぞあるわけもなく、しばらくはほとんど沈黙したままで。 かと言って押し黙っているのもなんだし、ちょっとしたネタふりに、さっき話に出た『マコウカガク』とやらがどういうものか聞いてみた。すると蒼葉さんは嬉々として教えてくれた。まあ自分の得意分野らしいから本当に饒舌に話してくれたよ。 残念ながら向こうの世界に戻ってしまえば何の役にも立たないのがちと辛いところではあるのだが。 漢字で書くと『魔工科学』。 端的に言えば、魔力を乗せた上で誰にでも使える便利な機材を作り出すことを研究するものだそうだ。 紹介された物のほとんどは俺には理解不能だったが中にはファンタジーのゲームや本で見たようなものもあった。 フープ型の瞬間移動装置とか、筒のような柄から光の刃が飛び出す剣とか、一見鏡のようでその実テレビ電話みたいな物とか。 おっと、もちろんあの魔石の説明も聞いた。 使い方じゃなくてどうやって作られたかだ。 なんでも作ったのは蒼葉さんで、そこに魔力を送り込んだのがアクリルさんらしい。 それじゃあ魔力が尽きたらただの石になってしまうんですか? 「ううん。あの石の中はエネルギーが循環型になっているから半永久的に作動するわよ。作動停止になるときは石が破壊された時くらいかしら」 そうなんだ。あれ? でも、そう言えば前の時にあの石を介して蒼葉さんが声を届けてくれましたよね? あの時は『これは一回だけだから』と言っていた気がするんですけど。 「そりゃそうよ。言っとくけど、異世界の数って天文学的な数がある上に広さも半端じゃないのよ。そうね、この大宇宙全部が一つの世界。そいうのが数えきれないくらいあるんだから。そんな中からどこにあるかも分からないような世界にテレパシーを送る労力って想像できるかしら? しかもあなたもあの時会った、えっと何て名前の子だっけ?」 ハルヒです。というか俺の呼び名は覚えているのにどうしてあいつの名前は覚えていないんですか? 「ま、まあ……正直言って、もう一度、あなたたちと再会するなんて全く思ってなかったからね。だからあんまり覚える気がなかったの。あなたの名前を覚えていたのは何とも変わった名前だったから」 やれやれ。俺のニックネームは異世界人にも印象に残ってしまうくらい変だってことかよ。 「んで、話を戻すけどあなたとハルヒって子には魔力がない。目印はあの石だけ。あの時、連結していた世界でさえ、二人がかりのテレポテーションでやっと到達できたのに、どこにあるのかも分からないような世界に声を届けようとすれば一体どれだけの魔力が必要になるか。 あの時は、このカンパニー総動員でやっとあの短時間だけ届けられたのよ。そんなことを二度も三度もやれるわけないでしょ」 そりゃまあ確かに。 って、今、何かさらっと重要なことを言いませんでした!? 「あ……!」 俺の指摘に得意満面の蒼葉さんの表情からその笑みが消えた。 俺は今、茫然自失と夕日を眺めている。 この世界でも朝昼夜の時間の流れになっているらしく、太陽が沈みゆくこの風景を『夕方』というのも同じらしい。 が、そんなことはどうでも良かった。 蒼葉さんから聞かされたことがとてつもないショックを俺に与えてしまっていたから。 ――残念だけど今の私にあなたを元の世界に戻すことはできない―― この一言は俺を絶望のどん底にたたき落とすには充分だったんだ。 当然だろ? 俺は元の世界に戻れない、って最後通告されたんだ。 もちろんその理由は確かめたさ。 本当に方法がないのかどうかも含めてだ。 厳密に言えば、俺を元の世界に戻せる方法はあるとのことだ。この世界に何箇所かあるらしい超空間と繋がっている扉、『ディメンジョンサークルポイント』と呼ばれるものと蒼葉さんがこの世界に舞い戻れた『帰巣本能』を利用することによって俺を元の世界に戻すことは可能だという話。 しかしだな。 蒼葉さんたちが知っているディメンジョンサークルポイントは二箇所。ところがその二箇所は両方とも道のりが、あまりに険しいってことが問題だったんだ。ちなみにその二箇所以外は今はまだ発見されていないらしい。 んで、以前、俺と同じように別の世界からこの世界に迷い込んでしまった異世界人がいたとのことだが、その連中は戦闘力を有していたようで、二箇所あるどちらのディメンジョンサークルポイントにも到達できたそうだが、残念ながら俺に戦闘力など存在しない。必要なのは授業で習う柔道や剣道、ケンカ程度で身に付く戦闘力などではなく、命がけの戦いに生き残るだけの戦闘力だそうで、そんなもの、いくら俺が修羅場をくぐってきていようが、その事象すべては命の危機に瀕するような戦いが必要がなかったものだ。例外は朝倉の一件だけで、しかもあの時は長門が撃退してくれたわけで俺は慌てふためくしかできなかった。 ということで蒼葉さんにもアクリルさんにも何の力も持たない俺を、自分も命を賭けなきゃならんような場所に連れて行くことはできないって言われた。 おっと、誤解がないように言っておくが、あの二人は自分の命が惜しいってわけじゃなくて俺の命が惜しいってことで危険な場所には連れて行きたくないって意味だ。 どうする……? いや……どうしようもないってことか……? 「絶望しなくていい」 ――!! 突然、背後からかけられた声に愕然とする俺。 い、今の淡々とした静かで棒読みに近い言い回しは……まさか……! 反射的に振り向く。そこには俺の期待する人物が佇んでいるなんてことが―― 「どうしたの? 私の顔に何か?」 ……だよな……そんな都合のいいことが起こるわけないよな…… 俺は苦笑を浮かべて落胆した。 そこに現れたのが長門かと思ったんだが、その期待は見事に裏切られた。 そこにいたのは、深くかぶった黒のハットから覗く瞳はどこか余裕がないようにも見えたが、全体的にはクールで知的な女の人だった。ハットから前髪が一房溢れる栗色のつややかなロングヘアの彼女。その頭髪がどこか物静かに揺れている。 というか、姿かたちはともかく、この佇まいと物腰は俺の知る長門とそっくりだ。 「あ、あなたは……?」 「リラ=ブラウン」 見事に無関心を完璧なまでにデフォルトした表情で、聞いた三秒後には忘れてしまいそうなくらいの平坦な声で自己紹介してくれる。 って、自己紹介の仕方も同じじゃないか!? しばし二人沈黙。 しかし、リラと名乗った女性は涼やかに、俺のすぐそばにあったベンチに腰かける。まるで俺に何の関心もないような表情で。 で、静かに読書を開始した。 待て。ここまで長門に似ないでくれよ。俺がホームシックにかかって泣きそうになっちまう。 「ナガトとはあなたと友好関係を結ぶ者?」 いや、だから。 「私はアクリル様の命を受けてここに来た。その目的はあなたを一人にしないこと」 もういいって。 「今、アクリル様も蒼葉様もあなたを元の世界に返す方法を模索している。しかし、あなたを一人にすることを懸念したアクリル様が私を呼んだ。これが私がここにいる理由」 マジでやめてくれ――って、今、何て!? 「もう一度説明する?」 「あ、ああ頼む!」 「しかし、あなたは私の言い回しが気に入らないのでは?」 今は目をつぶるさ! で、蒼葉さんたちが何だって!? 「今、アクリル様も蒼葉様もあなたを元の世界に返す方法を模索している。アクリル様と蒼葉様であれば何か見つけるかもしれない。それに賭けてみて」 この長門のようなしゃべり方をするリラって人の言葉を聞いて、俺は一抹の希望の炎が胸の中で点灯したのを感じた。 その日の夜。 俺は元の世界では『ホテル』にあたる宿泊施設の一室を与えられた。 周囲360度すべてが窓で、程よい高さなものだから風景と星空が調和を保ってよく見える。 何と言うか一人で見るにはもったいないくらいの厳かで神秘的な風景だ。思わず魅入ってしまうぞこれは。 などと思ったのだが―― 「ええっと……なにゆえあなたがここに居る訳で……?」 「問題ない」 そう、どういう訳か、リラ=ブラウンさんがこの部屋のソファーに腰掛けているのである。 むろん、何やら分厚い本を読みながら。 いや、問題だって。いちおー俺と君は男と女なわけで、それなのに二人きりで一晩供にするなんて…… 「もうすぐ蒼葉様が来る。だから二人きりにならない。それとあなたは今、本能的欲求に基づいた性的行動を取れると思えない。だから問題ない」 そこはかとなく馬鹿にされたのだろうか? 「そうではない」 え? 俺が苦笑を浮かべて嘆息を漏らすと同時にリラさんが顔をあげた。その瞳は真剣そのもの。 ふぅ……しゃべり方は長門に似ているがあいつはこんな正直に感情を表情に出したりしないな。なんだかあいつと違うところが見て取れてホッとするぜ。 「あなたが本能的欲求に基づいた性的行動を取れないのは臆病とか弱気といった類の心理からくるものではなくまったく別の理由。ただし、それは言葉にして説明したところであなたは信じることはできない。直に体験して知るしかない。しかしその対処は必要。それが私がここにいる理由。蒼葉様がここに来る理由」 つってもその喋り方はなんとかならないもんかね。 「無理」 即答かよ!? 「なぜなら偽って話をすれば、その偽りにも気を配るため使用する言語に相違が生まれる可能性がある。それでは情報伝達に齟齬が生じる。確かな情報伝達のためには自分の言葉で話す方が望ましい」 いやまあそうなんだが、さっきも言ったけど君の喋り方は俺に元の世界への望郷の念を強く抱かせてしまうんだ。 「我慢して」 と言われてもな。 「もう蒼葉様が到着する。そうすれば私は喋らない。だから大丈夫」 「やっほー♪ 来たよー♪」 リラさんの話が終わると同時に、というか終わるのを見計らったかのようにドアを開けて聞こえてきたのは妙に明るくてハイな蒼葉さんの声で―― 気が付けばもう既に朝日が部屋の中を眩しく覆いつくしていた。 涼宮ハルヒの切望Ⅱ―side K― 涼宮ハルヒの切望Ⅰ―side H―
https://w.atwiki.jp/kubo-zemi/pages/801.html
トップページ 新聞論評 新聞論評 2009 新聞論評 20090928 This Page 2009年9月28日 締 切 新聞論評 学籍番号1914076 氏名 川添由理子 1.新聞情報 見出し 乾電池がた充電池に参入 エレコム女性向けデザインに 発行日 2009年09月27日 新聞社 日本経済新聞(朝刊) 面数 07面 2.要約 パソコン周辺機器を手がけるエレコムは11月上旬に女性向け乾電池型充電池に参入を始める予定。充電器を香水のビンのような形状に作り、長い爪の女性でも電池を出しいれしやすいようにし、新たな需要を開拓した。(99文字) 3.論評 最近女性向けにデザインされた日用品が次々に販売されている。日用品でお洒落や個性を楽しむ風潮ができ、今回のように女性向けの乾電池型充電池の販売や時期も妥当だと思える。乾電池型充電池は切れた乾電池を専用の充電地に入れて 充電し再度利用できるようにするといったものだ。乾電池の廃棄物が出ることはなく、そのつど買い換えるより二酸化炭素排出量も少ないので地球温暖化対策の一環にもなる。 今回女性にターゲットを絞ったのは脱毛機など女性用の美容機器は電池式の製品が多いが、充電池はあまり使われていない。また男性より女性の方が日用品のデザインにこだわる節があるからだろう。 良いデザインは商品としての価値がある。そう考えさせられる記事だ。(308文字) 4.コメント 乾電池型充電池は切れた乾電池を専用の充電地を使い→をが2回続いてるので 少し変な感じがします。乾電池型充電池は切れた乾電池を専用の充電地に入れて 等に変更したほうが良いと思います。論評は400字は超えた方がよいとおもいます。 -- (河本和樹) 2009-09-29 21 03 55 指摘して頂いた部分を修正しました。 ご指南ありがとうございます。 次回から400字を超えるようにしたいと思います。 -- (川添由理子) 2009-10-01 15 52 19 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/mangaaa/pages/1152.html
掲載誌別の分類 Wikipedia内 項目「漫画雑誌」へ ページ内メニュー 少年漫画誌 青年向け 男性向け カルト系 少女漫画誌 女性向け 4コマ・他 男子児童向け漫画誌 コロコロコミック別冊コロコロコミック コロコロイチバン! コミックボンボンアブラカダブラ ガンダムマガジン 月刊プレコミックブンブン 少年漫画誌 週刊誌およびその派生誌 週刊少年サンデー少年サンデー超増刊 月刊サンデーGX 週刊少年マガジン月刊少年マガジンマガジンGREAT マガジンSPECIAL マガジンZ 週刊少年ジャンプ月刊少年ジャンプ 赤丸ジャンプ 週刊少年チャンピオン月刊少年チャンピオン チャンピオンREDチャンピオンRED いちご 月刊誌 月刊少年ガンガン月刊Gファンタジー 月刊ガンガンWING ガンガンPOWERD 月刊少年シリウス 月刊少年ファング 月刊漫画「少年」 コミックGOTTA 青年向け漫画誌(ヤング誌とその派生誌) 週刊ヤングジャンプヤングジャンプ増刊 漫革 ウルトラジャンプ スーパージャンプオースーパージャンプ 週刊ヤングマガジン別冊ヤングマガジン ヤングマガジンアッパーズ 週刊ヤングサンデー ヤングキングヤングキングアワーズ 月刊ヤングキング ヤングチャンピオンヤングチャンピオン烈 ヤングアニマル ヤングガンガン 男性(社会人)向け漫画誌 週刊漫画TIMES 週刊漫画サンデー 漫画アクション 週刊漫画ゴラク プレイコミック ビッグコミックビッグコミックオリジナル ビッグコミックスピリッツ ビッグコミックスペリオール モーニングイブニング ビジネスジャンプ 週刊コミックバンチ MANGAオールマン ミスターマガジン その他の青年向け漫画誌 青年向け一般 月刊COMICリュウ 月刊アフタヌーン 月刊ドラゴンマガジン 月刊コミックビーム コミックバーズ 月刊コミックガム 月刊コミックフラッパー 月刊IKKI コミック・ハイ! 月刊漫画ガロ COM おもに中高生向け 月刊コミックブレイドコミックブレイドMASAMUNE コミックブレイドZEBEL 月刊Comic ZERO-SUMコミックZERO-SUM増刊WARD コミック百合姫 ※Comic ZERO-SUM増刊 月刊Comic REX コミックヴァルキリー E☆2(えつ) メディアミックス漫画誌 月刊電撃コミックガオ! 月刊コミック電撃大王電撃萌王 月刊少年エースガンダムエース コンプエース エースネクスト 月刊ドラゴンエイジドラゴンエイジピュア 月刊コミックドラゴン 月刊コミックラッシュ 月刊コミックアライブ コンプティーク 電撃G's magazine マジキュー 電撃「マ)王 萌寄 コミデジ+(コミックデジタルキャラット) 月刊少年キャプテン カルト系漫画誌 アックス マンガ・エロティクスF コミックファウスト 少女漫画誌 児童向け漫画誌 ちゃお 低年齢向け少女漫画誌 なかよし 中高生向け一般 りぼん マーガレット別冊マーガレット ザマーガレット 別冊フレンド 少女コミックベツコミ(別冊少女コミック、Betsucomi) Cheese!(少女コミックCheese!) プリンセスプリンセスGOLD 花とゆめ別冊花とゆめ ザ花とゆめ LaLaLaLa DX デザート Cookie ChuChu 多少マニアックなもの 月刊ウィングス 月刊ASUKA ネムキ 夢幻館 comic SYLPH やや対象年齢の高いもの flowers(旧プチフラワー) コーラス MELODY 女性向け漫画誌 プチコミック YOU ヤングユー BE・LOVE Silky Judy FEEL YOUNG Kiss 4コマ漫画誌 まんがタイム まんがタイムきらら まんがタウン まんがタウンオリジナル まんがライフ まんがライフオリジナル ジャンル漫画誌 近代麻雀 別冊近代麻雀 近代麻雀オリジナル メンズヤング 他 ファミ通ファミ通PS Vジャンプ プレイボーイ SPA! SAPIO 朝日新聞 読売新聞 産経新聞 聖教新聞 [PR] 賃貸住宅
https://w.atwiki.jp/ryouhouji/pages/1706.html
壱 弐 参 極 名前 [制服]キョンシー (せいふく きょんしー) セリフ 壱 「妖しい気を感じるネ!」 弐 「退治するネ!」 参 「的確な指示を頼むネ♪」 極 「最高の相方ネ♪」 解説 いにしえの中国において、出稼ぎで無くなった者を搬送する手段として、呪術により歩かせたとか。術中にて操られているうちは従順だが、本来は凶暴で人を襲うと言われている。 レアリティ 必要法力 攻 防 知 壱 SR 22 3190 2860 2590 弐 3510 3150 2850 参 3870 3470 3140 極 4260 3820 3450 術式名 属性 MAX Lv 効果 専:疲れ知らず 土 8 敵単体の攻防ダウン お邪魔戦術式 発動率 HPアップ 中 備考:
https://w.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1789.html
スポニチ(北海道版)2008年10月5日 広告掲載企業(一部抜粋) 関連ページ スポニチ(北海道版)2008年10月5日 広告掲載企業(一部抜粋) 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事141 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1223040206/456 http //changi.2ch.net/test/read.cgi/ms/1223040206/458 ※小さな金融会社、電化製品買取や車買取、男性向けマッサージ店、出会い系サイト等は除く ※()内はスポニチ関係と思われるもの 01面 アサヒビール←クリアアサヒ、赤ひげ薬局、さんぱち、マガジンボックス←外車情報11月号とA-cars 02面 アコム、ル・ペタウゴルフ 08面 養蜂堂←マカ王 09面 (スポニチサービス) 12面 (スポニチサービス) 14面 (スポニチサービス)、(毎日新聞) 15面 シーサイドインヤマニ←函館 17面 (スポニチサービス) 18面 KOBE CLINIC PRESENTS 盲導犬育成支援PGMグループチャリティゴルフコンペin桂ゴルフ倶楽部 (主催、後援、特別協賛、協賛がありましたがメモしてきてません) 19面 札幌スコットヒルゴルフ倶楽部、エクアル←OA機器販売、津村娯楽堂、ネオシス 21面 (DVD懐かしい昭和のワンパク時代 製作・著作・発売元 北海道放送(TBS系) 販売元 ソニー・ミュージックデストリビューション) 23面 平和島競艇、戸田競艇 25面 ワールド電機商会、株式会社アドコー 26面 (毎日フレンド) 29面 札幌中央クリニック 関連ページ 2008年 毎日新聞に広告を出していた企業 さんぱち シーサイドインヤマニ 津村娯楽堂
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/256.html
柊家の母上に自身では極上の笑顔で挨拶したつもりだ。印象は悪くないだろう。そう思いたい。 しかしここに来て普段から邪険に扱ってきた古泉のヤツがどれほど貴重な存在だったかを思い知った 気分だ。男はこの場に俺一人。何という多勢に無勢、孤軍奮闘であろうことか。 柊(姉)の部屋の前まで来たところで柊(妹)だけが姉の容態を見に部屋に入り、俺達はしばし 待たされた。 「ありゃ、随分厳重ですな。いつもだったらどーんとドア開けてミル=マスカラスを彷彿とさせる プランチャーをかけて叩き起こしてやる所なんだけどねぇ」 例えが古すぎる。レイ=ミステリオにしておきなさい。 心の中で突っ込みつつ、俺も内心心配で仕方が無かった。柊(妹)が普通に部屋を出入りしているので、 いきなり巨大カマドウマが現れる事は今の所無さそうだ。いや待て俺。心配するのは柊(姉)の容態で あって宇宙人未来人その他諸々の引き起こす怪現象ではなかろう。 「いいよ~入って」 ものの一分足らずで俺達は中に迎え入れられた。 「なにそれ!?誰にやられたの!?新種の昆虫!?宇宙から飛来した謎の物質が衝突した!?まさか 宇宙人に拐われてインプラントされた!?キャトルミューティレーション!?」 柊(姉)は羊じゃないし解剖されてたらこの世におらんだろう。 とにかく柊(姉)はベッドに突っ伏していると思いきや、普通に服着ていつものリボンで髪の毛結わいて 椅子に座っている。ただ、右目を覆う形でタオルを顔に巻いているのが痛々しい。 「んなわけあるか!相変わらずだねハルヒ」 柊(姉)のタオルをひっぺがして検分しようと突進するハルヒの両脇に背後からなんとか腕を入れて 抑えつけるが、コイツは本気で心配しているらしく「離せバカキョン!」などと吠えつつ大暴れしやがる。 「かがみがやられたのよ!我らが名誉団員の一人が!しかも相手は宇宙人か異世界人よ!大丈夫! かがみの仇は必ず取るわ、このキョンが驚く程ボッコボコにやっつけてくれるわ!」 星から星を巡り巡ってきた猛者達に生身のへたれ男子高校生が勝てるか。 「いざとなったらダイナマイト体に巻いてUFOに突っ込めばいいじゃないの!骨なら拾ったげるわ。 残ったらね」 「はるにゃん違うよ。お姉ちゃんたらずっとかいちゅ…」 言いかけた柊(妹)は姉によって口を塞がれた。 「なななんと!まさか世界中のセレブが愛用しているというかの回虫ダイエットというヤツですかい!?」 意味が分からんぞ泉。なんだそのデンジャラスな香りがするダイエットは。 「少々強引なダイエットとして寄生虫をわざと寄生させて痩せるというダイエット方法があるそうですよ」 丁寧な解説ありがとう高良さん。セレブって意外とエグいのね。 話を元に戻さなくてはならんが、俺が「かいちゅ」こと懐中電灯の事を言う訳にはいかんしな…。 「ふーん。こなたの小指くらいしかなさそうなリチウム電池に白色LEDの懐中電灯で夜中中ずぅ~っと 本読んでたら片頭痛が酷くなって隈が消えなくなったと。そういうワケ?」 ニヤケ顔でハルヒが真相らしい事をズバリ言い当てた。 「なななややや!」 柊(姉)がかなり大袈裟に狼狽している所を見ると、図星なのだろう。しかし柊(姉)よ。 「ふもぉ~ふもっふ~!?」 妹が締め上げられてどこぞの戦闘スーツみたいな声しか出なくなってるぞ。 とにかく、事の真相を整理すると、柊(姉)は俺が投げ捨てた懐中電灯を見てもったいないと思って 拾っておいたわけだ。懐中電灯の腹部に書いてある電池の型番を頼りにリチウム電池を購入し、 休憩がてら喫茶店で電池交換しようと四苦八苦していたと。 しかしこんなミニ懐中電灯だ。親に寝たように見せるために布団を被って本を読んでいたらいつの間にか 夢中になり、果ては疲れ目による酷い片頭痛とまあ、そんなんでどうでしょうかねえ。 ま、ハズレなんだがな。ハルヒが求める結末はこんなもんじゃないはずだ。 「…死ぬかと思った」 乱れたリボンを高良さんに直してもらいながら柊(妹)は不満を口にした。 「ご、ごめんつかさ」 なんかぎこちないな柊(姉)よ。考えてみればこの部屋に入った男は俺が初めてなんじゃないのか (除く父親)?そりゃまあぎこちなくもなるわな。 「さてと、みゆきさん!あのゲームなんていうんだっけ?なんちゃら脳力トレーニングまた やりましょ!」 「ええ、是非。私にあそこまで肉薄したのは涼宮さんが初めてです」 「今日こそ成敗してやるわ!」 「返り討ちにして差し上げますわ」 可愛い笑顔でハルヒと対等にやりあうとは。お嬢様パワー恐るべし。 「あ、あたしも観戦する~!」 「あ、あたしも!」 妹の後すぐに立ち上がろうとした姉はハルヒによって両肩を掴まれ、ベッドへと押し倒された。 「病人はベッドで寝てなさい。ただし我らSOS団唯一の貴重な下撲のキョンを置いていくわ。 鞭で打つなりヒールで踏むなりチョークスリーパーで沈めるなり好きになさい」 何を言ってるんだこのハルヒという女は。嫁入り前の娘の部屋に健全男子を投げ込んで放置するとは どういう考えだ。 「アンタがかがみ専用下撲になるってことよ。今日だけね。ただしそこのカーペットの縁からは 立ち入り禁止!ウィットに富んだギャグでかがみを笑かしてあげるなりなんなりできるでしょ」 俺がそれじゃあ何にもできんという反論を見越しての発言だろう。しかもウィットに富んだギャグだ? ハードルを上げるなハードルを! 「おわ!」 なんとか反論を用意しようと考えを巡らしてる間に柊(姉)と二人きりになってんじゃないか。 いや待て。ここは柊(姉)の部屋で侵入者は俺なわけだ。どうすりゃいいんだ畜生。 「あ、あの…」 「すまん柊!すぐに退散するから!マジですまん!後でハルヒはきつーく叱っておくから、だからその…」 「ふふっ!そんな事できないくせに」 「え?あ、ああ。できても効果は無いだろうな」 ベッドに座る柊(姉)はどうやら笑っているらしい事が声から分かる。しかしこの閉鎖空間において血縁者で ない女子と二人きりでいるという人生初の状況はあまりにも刺激的過ぎる。 「どわあ!」「わあっ!」 いきなり飛び上がる俺に驚き、柊(姉)も飛び上がる。 「すまん!メールだ」 慌てて携帯を引っ張り出すと、長門からのメールだった。 『あなたの心拍数及び血圧に異常値あり。極度の緊張状態と推定。状況を報告せよ』 急いでなんでもないとメールを返す。 「ふう…すまん…ん?」 携帯の画面が突然変化した。異常事態だ!あり得ん! 『柊 かがみ さんからプロフィールをBluetoothで受信しました。あなたのプロフィールを返信しますか?』 「ええと、それ、よろしく」 「あ、ああ」 慌てて俺の携帯番号とアドレスを返信する。 お互いなんてぎこちない会話だ。しかも携帯番号とメールアドレスをいただいてしまうとは異常事態だ、 あり得ん。気まずい空気がこのまま続くんじゃないかと思われたその時、 「ぷっ!なにこれ!携帯のプロフィールまでキョンで登録してるの?」 「な…!」 手元で確認してみると確かに俺の名前はキレイサッパリ消え去り、その代わりに苗字欄に『キョン』、 名前欄にも『キョン』と書かれていた。 もうどうにでもしてくれ。そういえば黒井先生も俺の出席取る時に『キョン』としか言わんし、 テストを回収した時も、「あっれぇ?キョンの名前がないでぇ?こりゃ0点やなぁ!」なんて いじくられ放題だ。 いっそのこと戸籍も書き換えるか。 「谷口でしょこんな事すんの。決めた、今からあんたの事キョンキョンって呼ぶわ!」 腹を抱えて笑う柊(姉)に釣られて一しきり笑う。ここは谷口の馬鹿に感謝すべきなのか。 なんとなく空気が整ったと感じた俺は、なんとか聞いておきたい事を切り出した。 「ひ、柊、あのな…」 「かがみ!」 「うお!え?」 我ながらなんとわざとらしい「え?」であることか。 「だ、だから、その、ひ、柊は珍しい苗字だけど二名ばかしいて紛らわしいのよ。だから、その、 かがみで、いいから…」 最後の方は消え入りそうでほとんど聞き取れなかったが、とにかくこれはあれだ。俺はこいつのことを 下の名前で呼ばにゃならんということだ。果報者という奴なんじゃないのかと思ったが、そういえば 隣の組のセバスチャン(本名は知らん)ですらこいつの事をかがみと呼んでいた気がするな。よし、 では早速実践しようではないか。柊(姉)はたった今から呼称を変更する。か・か・かかかかかかかか! 何故だ。声に出しているわけではないのにまるで秘孔を突かれて顔が変形し始めているモヒカンの如く 俺はこいつの下の名前を呼ぶ事ができない。何故だ。何故これほどまでに素直に口が動かんのだ! 「…い、嫌ならいいから、ごめん…」 「い、い嫌なわけないだろその、か、かがみ」 鼻の奥が熱い。熱すぎる。灼熱地獄だ。背中に汗が溜まってきた。足以上に脇まで匂って来たらもう 俺は立ち直れん…! 「はおわ!」 再び情けない驚きの声を上げてしまった。床で俺の携帯がバイブ音を立てていた。慌てて拾って確認する。 『心拍・血圧・神経伝達経路に複数の異常を検知。状況を報告せよ。3分以内に報告が無い場合、 柊家のプライバシーを侵す行動に移らざるを得ない』 長門、すまん。何でもないんだ。本当に心配するような事は起こっていないんだ。 亜光速でメールを処理した俺は、改めてか、か、かがみに向き合った。 「な、何?あ、あれ?懐中電灯の事?ご、ごめんなんていうか、その…もったいないっていうか、 えっと…」 「い、いや、そんな事いいんだ。だけどな、そんな薄汚れたのじゃなくて今度新しいやつやるからさ。 もっと本読めるくらい明るいやつでもなんでも…」 「ううん。これでいいの」 またそれで本を読んで常にタオルで目にアイスノンを巻きつけるわけにも行かないだろう。 「もうそんなことしないってば!とにかくこれがいいの!」 「じゃあ、せめてこれの新しいの買って来るからそれの方がいいだろ?俺の手垢とかついてるし、 スイッチのところなんて塗料も削れまくってるし…」 「だからこれがいいの!」 「お、おい、ちょっと、それって…」 「あたしはこれがいいの…。べ、別にいいでしょ、誰の事をその、気にしたって!」 駄目だ。頭が混乱してきた。 俺は別に柊かがみに対して特別やさしくしたりだの気を引くような行動をした覚えなんて無いぞ。 一体何が起こってるんだ?くそ、分からない。いや、分からないって訳じゃあない。 ただ、俺は初めて異性から異性としての好意を寄せられたという事なんだろうか。信じられん。 というよりも、俺は怯えているというのが正しいだろう。 甲斐性なしと懐中電灯4へ